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USB規格とは?バージョン別の違いとType-A・B・C、産業用防水コネクタの選び方

USBは、パソコンや周辺機器だけでなく、製造設備、検査装置、制御盤、計測機器などにも幅広く利用されています。一方で、「USB 2.0」「USB 3.2」といったUSB規格のバージョンと、「Type-A」「Type-B」「Type-C」というコネクタ形状は別の要素です。
端子の形が同じでも、対応する転送速度や給電機能が異なる場合があるため、外観だけで仕様を判断することはできません。接続する機器、コネクタ、ケーブルのすべてについて、対応するUSB規格や機能を確認する必要があります。
特に工場や屋外設備では、USB規格への対応だけでなく、水、粉じん、振動、ケーブルの抜け、パネルへの取り付け方法なども考慮しなければなりません。一般的なUSBコネクタでは使用環境に対応できない場合があるため、防水性や抜け止めを考慮した産業用コネクタの検討が重要です。
本記事では、USB 1.0・1.1・2.0・3.0・3.2の違いを整理したうえで、Type-A・Type-B・Type-Cの特徴、互換性を確認する際の注意点、産業用防水USBコネクタの選び方を解説します。
あわせて、Type-A、Type-B、Type-Cを用意する七星科学研究所の防水コネクタ「UNJWシリーズ」を紹介します。
USB規格とは
USBはデータ通信と電力供給に使われる接続規格
USBは「Universal Serial Bus」の略称で、コンピュータなどのホスト機器と周辺機器を接続するためのインターフェース規格です。
機器間のデータ通信に加え、接続した機器への電力供給にも利用されています。
現在では、キーボードやマウス、プリンター、ストレージなどの一般的な周辺機器だけでなく、次のような産業機器にもUSBが組み込まれています。
- 画像検査装置
- 計測機器
- 製造設備の設定端末
- データ収集装置
- 制御盤
- 分析装置
- 生産設備のメンテナンス端末
ただし、USBによる電力供給能力は、すべての製品で同じではありません。
USB Power Delivery(USB PD)は、USBのデータ通信とは別に定められた給電規格です。Type-Cの端子を備えていても、必ずUSB PDを利用できるとは限りません。
「USBのバージョン」と「コネクタのタイプ」は別のもの
USB規格を理解するときは、次の要素を分けて考えることが重要です。
- USB 2.0やUSB 3.2:主にデータ通信性能を示す規格
- Type-A、Type-B、Type-C:コネクタの形状
- USB PD:電力供給に関する規格
- Alternate Mode:USB以外の映像信号などを伝送するための機能
USB 3.2とType-Cは同じ意味ではありません。また、USB 3.2とUSB Power Deliveryも別の規格です。
Type-Cはコネクタ形状を示す名称であり、Type-Cを採用していることだけでは、通信速度や給電機能を判断できません。
そのため、産業機器にUSBコネクタを採用するときは、「端子がType-Cだから高速通信に対応している」と判断するのではなく、機器、ケーブル、中継コネクタの仕様をそれぞれ確認する必要があります。
USB規格のバージョン別の違い
USB 1.0・USB 1.1
USB 1.0とUSB 1.1は、初期のUSB規格です。
基本的なデータ転送速度として、1.5MbpsのLow-Speedと12MbpsのFull-Speedが定められています。
現在の大容量データ転送には適していませんが、通信量の少ない周辺機器や旧型の設備、計測機器などでは、USB 1.0またはUSB 1.1相当のインターフェースが使用されている場合があります。
既存設備に新しいUSBコネクタを組み込む場合は、後方互換性の有無だけでなく、次の項目まで含めて動作確認を行うことが重要です。
- 使用するOS
- デバイスドライバー
- 接続するケーブル
- 中継コネクタ
- 機器側の制御方式
- ケーブル長
USB 2.0
USB 2.0では、最大480MbpsのHi-Speed通信が追加されました。
USB 1.xと比較して転送速度が大きく向上し、プリンター、外付け機器、計測機器、制御装置など、幅広い用途に採用されています。
製造現場では、必ずしも大容量データを常時転送するとは限りません。そのため、次のような用途では、USB 2.0でも必要な性能を満たせる場合があります。
- 装置の設定データの転送
- 稼働ログの取得
- 測定値の保存
- メンテナンス用データの転送
- 制御プログラムの更新
七星科学研究所のUNJW-24A-RとUNJW-24B-Rは、USB 2.0のHi-Speedモードである480Mbpsに対応しています。
また、USB 1.1・1.0規格の機器とも互換性があると案内されています。
ただし、USBケーブルを延長する構造であるため、USB規格認証取得品ではありません。使用環境によって動作しない場合があるため、採用前に実際の機器とケーブルを使用して接続試験を行うことが重要です。
USB 3.0
USB 3.0では、最大5Gbpsのデータ転送が可能になりました。
USB 2.0の最大480Mbpsと比べて通信性能が向上しており、次のような用途に適しています。
- 高解像度画像の転送
- 画像検査データの保存
- 大容量ログの収集
- 外付けストレージへのデータ保存
- 動画データの転送
USB 3.0のType-Aコネクタは、USB 2.0のType-Aと外形が似ていますが、USB 3.x用の信号接点が追加されています。
見た目が似ていても、コネクタやケーブルが高速通信用の接点と配線を備えていなければ、USB 3.xの速度では通信できません。
七星科学研究所のUNJWシリーズにおけるType-A・Type-B製品は、USB 2.0対応製品として案内されています。
USB 3.0対応のType-A製品としては掲載されていないため、5Gbps通信が必要な場合は、別の接続方法や製品を含めて検討する必要があります。
USB 3.1・USB 3.2と名称変更の考え方
USB 3.xは名称が複数回変更されているため、製品仕様書を確認するときに混乱しやすい規格です。
USB 3.2では、従来のUSB 3.x仕様を包含し、主に次の転送速度が定められています。
- USB 3.2 Gen 1:最大5Gbps
- USB 3.2 Gen 2:最大10Gbps
- USB 3.2 Gen 2×2:最大20Gbps
従来「USB 3.0」と呼ばれていた5Gbpsの仕様は、その後「USB 3.1 Gen 1」、さらに「USB 3.2 Gen 1」という名称で扱われるようになりました。
また、「USB 3.1 Gen 2」として知られていた10Gbpsの仕様は、「USB 3.2 Gen 2」に相当します。
名称だけでは性能を判断しにくいため、設計仕様書や購入仕様書では「USB 3.2」とだけ記載せず、必要な転送速度を併記することが重要です。
例えば、次のように記載すると、設計部門と調達部門の認識のずれを抑えられます。
- USB 3.2 Gen 1、最大5Gbps
- USB 3.2 Gen 2、最大10Gbps
- USB 3.2 Gen 2×2、最大20Gbps
USB規格のバージョンと最大転送速度の比較表
| USB規格 | 主な通信モード・旧名称 | 理論上の最大転送速度 | 選定時の注意点 |
|---|---|---|---|
| USB 1.0・1.1 | Low-Speed/Full-Speed | 1.5Mbps/12Mbps | 旧型機器ではドライバーやOSも確認する |
| USB 2.0 | Hi-Speed | 480Mbps | 端子形状が同じでもケーブル品質を確認する |
| USB 3.0 | USB 3.2 Gen 1に相当 | 5Gbps | USB 2.0用の配線では5Gbps通信はできない |
| USB 3.1 Gen 2 | USB 3.2 Gen 2に相当 | 10Gbps | ホスト、機器、ケーブルのすべてが対応する必要がある |
| USB 3.2 Gen 2×2 | 2レーン通信 | 20Gbps | 対応するType-Cケーブルと機器が必要 |
表に記載した数値は、各USB規格における理論上の最大転送速度です。
実際のデータ転送速度は、通信方式、使用機器、ケーブル長、システム構成などによって変わります。
USB Type-A・Type-B・Type-Cの違い
USB Type-Aの特徴
USB Type-Aは、パソコン、制御装置、USBハブなどで広く使用されている長方形のコネクタです。
差し込み方向に表裏があり、Type-AメスのポートにType-Aオスのプラグを接続します。
外形が似ていても、USB 2.0用とUSB 3.x用では内部の接点構成が異なります。そのため、設備側にType-Aの差し込み口があるだけでは、対応するUSB規格を判断できません。
既存の制御盤や装置でUSB 2.0のType-A接続を利用しており、未使用時の防水性や金属シェルによる保護が必要な場合は、UNJW-24A-Rが選択肢になります。
UNJW-24A-Rは、次の構造を備えています。
- 筐体前面:Type-Aメス
- 筐体背面:Type-Aオスケーブル
- 対応規格:USB 2.0 Hi-Speed
- 最大転送速度:480Mbps
USB Type-Bの特徴
USB Type-Bは、プリンター、計測機器、分析装置など、周辺機器側で使用されることが多いコネクタ形状です。
Type-AとType-Bで接続方向を分けることで、ホスト側と機器側を区別しやすくなります。
一方、USB 2.0用のType-BとUSB 3.x用のType-Bでは形状が異なるため、使用する機器の端子形状と通信規格を事前に確認しなければなりません。
UNJW-24B-Rは、次の構造を備えています。
- 筐体前面:Type-Bメス
- 筐体背面:Type-Aメスケーブル
- 対応規格:USB 2.0 Hi-Speed
- 最大転送速度:480Mbps
- USB 1.1・1.0規格の機器と互換性あり
ただし、実際の使用にあたっては、接続機器とケーブルを含む構成全体で動作確認を行うことが重要です。
USB Type-Cの特徴
USB Type-Cは、上下の向きを気にせず接続できるリバーシブル形状を特徴とするコネクタ規格です。
Type-Cには、次のような特徴があります。
- 小型で省スペース
- 一般的には表裏を気にせず接続できる
- 複数のUSB通信規格で使用される
- USB PDに使用される場合がある
- 映像出力に使用される場合がある
ただし、Type-Cはあくまでコネクタの形状です。
Type-Cを採用した製品には、USB 2.0の通信だけを行うものもあれば、5Gbps、10Gbps、20Gbps以上の通信に対応するものもあります。
また、USB PDや映像出力などの機能も、すべてのType-C製品に備わっているわけではありません。
コネクタ形状だけでなく、製品仕様書に記載された通信速度、給電機能、対応プロトコルを確認する必要があります。
Type-CとUSB 3.2は同じ意味ではない
USB Type-CとUSB 3.2は混同されやすいものの、両者は異なる規格です。
- USB Type-C:コネクタ、プラグ、ケーブルの形状や構造に関する規格
- USB 3.2:データ通信性能に関する規格
したがって、「Type-C対応」とだけ記載された製品について、USB 3.2対応であると判断することはできません。
仕様書に通信速度や対応規格が明記されていない場合は、製品メーカーに確認する必要があります。
七星科学研究所のUNJW-20C-Rについても、USB Type-C規格に従うコネクタを使用した製品として仕様を確認し、特定のUSB 3.2通信速度に対応する製品であると直接判断しないことが重要です。
Type-A・Type-B・Type-Cの比較表
| コネクタ形状 | 主な特徴 | 差し込み方向 | 選定時の注意点 | UNJWシリーズ |
|---|---|---|---|---|
| Type-A | 長方形で広く普及 | 表裏あり | USB 2.0用かUSB 3.x用かを確認する | UNJW-24A-R |
| Type-B | 周辺機器側で多く使用 | 表裏あり | USB 2.0用とUSB 3.x用で形状が異なる | UNJW-24B-R |
| Type-C | 小型で一般的にはリバーシブル形状 | 一般的には表裏なし | 通信速度、USB PD、映像出力を個別に確認する | UNJW-20C-R |
一般的なType-C規格ではリバーシブル接続が特徴ですが、UNJW-20C-Rについては、コネクタ接続時のリバーシブル動作は非対応と案内されています。
動作しない場合は、接続するケーブルの表裏を反転させる必要があります。
USB規格の互換性を確認するときの注意点
新しいUSB規格と古いUSB規格は接続できるのか
USB規格は、従来製品との互換性を考慮して設計されています。
USB 3.x対応製品を従来のUSB製品と組み合わせた場合、共通して利用できる最も低い速度で動作することがあります。
例えば、USB 3.2対応のホスト機器にUSB 2.0対応のデバイスを接続した場合、通信速度はUSB 2.0相当に制限されます。
また、USB 3.2対応の機器同士でも、USB 2.0専用ケーブルを使用すれば高速通信は行えません。
ただし、規格上の互換性があっても、すべての製品構成で動作が保証されるわけではありません。
産業機器では、次のような要素が動作に影響します。
- 専用ドライバー
- 制御ソフト
- 延長配線
- 中継コネクタ
- ケーブル長
- ノイズ
- 使用温度
- 振動
- 給電能力
そのため、実際に使用する構成で実機確認を行う必要があります。
端子形状が合っても正常に動作するとは限らない
USBコネクタの形状が合っていても、次の条件が一致していなければ、期待した動作や通信速度を得られない場合があります。
- ホスト機器の対応USB規格
- 周辺機器の対応USB規格
- ケーブルの対応転送速度
- コネクタ内部の接点数と配線
- 必要な給電能力
- USB PDへの対応
- OSやドライバー
- ケーブル長
- 中継コネクタや延長ケーブルの有無
- ノイズや振動などの設置環境
特に中継コネクタを使用する場合、通信経路に含まれるすべての部品が要求仕様を満たしているか確認する必要があります。
大手企業の設備導入では、設計部門だけでなく、調達部門、品質保証部門、保全部門でも同じ条件を確認できるようにすることが重要です。
仕様書には、少なくとも次の項目を明記しましょう。
- 必要な転送速度
- USB規格
- コネクタ形状
- 防水条件
- 使用温度
- ケーブル長
- 使用する機器
- 動作確認条件
Type-Cでは対応機能を個別に確認する
Type-C製品を選定する際は、少なくとも次の機能を個別に確認します。
- 対応するUSBデータ通信規格
- 最大転送速度
- USB PDへの対応
- 必要な電圧と電流
- 映像出力への対応
- Alternate Modeへの対応
- ケーブルの対応速度
- ケーブルの許容電力
- プラグの表裏に対する動作
- ホストとデバイスの役割
Type-Cは機能を示す名称ではなく、コネクタ形状を示す名称です。
「Type-C対応」という表示だけで判断せず、製品仕様書に記載された機能を一つずつ確認してください。
産業用途で一般的なUSBコネクタを使用する際の課題
水や粉じんが侵入する可能性がある
工場や屋外設備では、次のような物質がコネクタ周辺に付着する場合があります。
- 洗浄水
- 雨水
- 結露
- 切削液
- 油
- 金属粉
- 樹脂粉
- ほこり
一般的なUSBポートを筐体外部に露出させると、端子部への異物付着や水分の侵入によって、接触不良や腐食が発生する可能性があります。
特に、次のような設備では、USB規格への対応だけでなく、未使用時に端子部を保護できる構造が求められます。
- 食品製造設備
- 屋外検査装置
- 工作機械
- 搬送設備
- 洗浄工程のある装置
- 建設機械
- 農業機械
防水コネクタを選定するときは、IP等級の数値だけでなく、どの状態で防水性能が成立するかを確認することが重要です。
振動や衝撃でコネクタが抜ける可能性がある
一般的なUSBコネクタは、日常的な抜き差しを前提とした構造です。
装置の振動、移動、ケーブルへの引っ張りなどが発生する環境では、コネクタが緩んだり、通信が一時的に途切れたりする可能性があります。
製造設備や搬送装置で通信を安定させるには、次のような対策を検討する必要があります。
- ケーブルに直接荷重がかからない配線
- ケーブルクランプによる固定
- パネル取り付け構造
- ねじロック式コネクタ
- ケーブルの曲げ半径の確保
- 振動源から離した設置
UNJW-24A-RとUNJW-24B-Rは、金属シェルを採用し、ねじロック方式を備えています。
樹脂製コネクタでは耐久性が不足する場合がある
産業用途では、次のような機械的負荷を考慮する必要があります。
- 作業者による繰り返しの抜き差し
- 工具や部品の接触
- ケーブルへの引っ張り
- 誤挿入
- 落下物の衝突
- 設備移動時の衝撃
一般的な樹脂外装のUSBポートでも使用できる環境はあります。
一方、筐体外部に設置する場合や機械的な保護が必要な場合は、金属シェルを採用したコネクタが候補になります。
UNJWシリーズのType-A・Type-B製品とType-C製品は、亜鉛合金によるダイカスト製シェルを採用しています。
保守や交換を考慮した設計が必要
設備用コネクタは、導入時の性能だけでなく、数年後の保守や交換も考慮して選定する必要があります。
確認したい項目は次のとおりです。
- パネル加工寸法
- 筐体内部の配線スペース
- ケーブルの引き回し方向
- 防水キャップの保管方法
- 交換時の作業性
- 既存設備との接続互換性
- 予備品の管理
- 製品仕様の変更履歴
- CADデータや図面の提供状況
- 生産終了時の代替製品
複数拠点で同じ設備を運用する企業では、コネクタ型式や使用条件を標準化しておくことで、保守部品の共通化や交換作業の効率化につながります。
産業用防水USBコネクタを選ぶポイント
接続機器に合ったUSB規格を確認する
最初に、接続する機器が必要とするUSB規格を確認します。
ログデータや設定ファイルの転送が中心であれば、USB 2.0で必要な性能を満たせる場合があります。
一方、高解像度の画像検査データや大容量ファイルを頻繁に転送する場合は、USB 3.x以上の通信性能が必要になる可能性があります。
必要以上に高速な規格を指定すると、コネクタやケーブルの選択肢が狭くなり、コストも増加します。
反対に、通信速度が不足すると設備の処理時間に影響するため、実際のデータ量と必要な転送時間から要求仕様を決めることが重要です。
Type-A・Type-B・Type-Cから形状を選ぶ
USBコネクタのタイプは、接続対象と設備側の構造に合わせて選択します。
- 既存のパソコンや制御装置との接続:Type-A
- 計測器や周辺機器との接続:Type-B
- 近年の機器や省スペース設計:Type-C
ただし、形状だけで決めるのではなく、次の項目も確認します。
- 既存ケーブルを流用するか
- 誤接続を防ぐ必要があるか
- 作業者が頻繁に抜き差しするか
- 筐体内部に十分なスペースがあるか
- ホスト側とデバイス側を区別する必要があるか
- 必要な通信速度を満たしているか
防水性能の成立条件を確認する
防水USBコネクタでは、防水性能が成立する状態を必ず確認します。
- 防水キャップを装着した状態
- 相手側コネクタと結合した状態
- ケーブルを外した状態
- ゴムキャップを装着した状態
- パネルへ正しく取り付けた状態
UNJWシリーズの防水性能は、指定された防水キャップを装着した状態でIP-67相当です。
Type-A・Type-B製品ではNJW-24-RCa、Type-C製品ではNJW-20-RCaを使用します。
一方、接点保護用のゴムキャップには防水性がないため、防水キャップと混同しないよう注意が必要です。
ロック方式を確認する
振動や引っ張りが発生する設備では、コネクタの保持方法を確認します。
ねじロック方式は、手で締結する手間がある一方、意図しない抜けを抑えやすい方式です。
頻繁に着脱する用途では、次の項目も考慮します。
- 着脱に必要な時間
- 締め忘れの可能性
- 作業用手袋を着用した状態での操作性
- 狭い場所での締結性
- メンテナンス頻度
USBケーブル側にロック機構がない場合は、コネクタ本体だけでなく、ケーブルクランプや配線固定方法も含めて設計します。
材質と耐環境性能を確認する
産業用USBコネクタを選ぶときは、次の項目を確認します。
- シェルの材質
- パッキンの材質
- 使用温度範囲
- 保管温度範囲
- 耐電圧
- 接触抵抗
- 耐水試験条件
- 塩水噴霧試験
- RoHS指令への対応
- 耐油性
- 耐候性
同じUNJWシリーズでも、Type-A・Type-B製品とType-C製品では使用温度範囲などが異なります。
シリーズ名だけで判断せず、採用する型式ごとの仕様を確認してください。
取り付け方法と配線構造を確認する
パネル取り付け型のコネクタでは、次の項目を確認します。
- 筐体の加工寸法
- パネルの板厚
- コネクタ背面のスペース
- ケーブルの曲げ半径
- コネクタ端部までの全長
- 周辺部品との干渉
- 扉を開閉した際の干渉
- メンテナンス時の交換性
背面にケーブルを備えた製品では、ケーブルの引き回しに必要なスペースを確保しなければなりません。
既存設備の改造で採用する場合は、内部部品との干渉や扉の開閉への影響も確認します。
製品選定時には、外形図だけでなく2D・3D CADデータを使用し、筐体や周辺部品との干渉を事前に確認すると設計変更を抑えられます。
七星科学研究所の防水USBコネクタ「UNJWシリーズ」
UNJWシリーズの特徴
七星科学研究所のUNJWシリーズは、USBコネクタを金属製の丸形シェルに組み込んだ、パネル取り付け型の防水USBコネクタです。
Type-A・Type-B製品の主な特徴は次のとおりです。
- USB 2.0のHi-Speedモード、480Mbpsに対応
- USB 1.1・1.0規格の機器と互換性あり
- 防水キャップ装着時にIP-67相当
- ねじロック方式
- 亜鉛合金のダイカスト製シェル
- RoHS指令対応
- 使用温度範囲は0℃~+50℃
ただし、USB 2.0の規格上、ケーブル延長についての概念がないため、USB規格認証取得品ではありません。
また、使用環境によって動作しない場合があるため、導入前の実機評価が必要です。
Type-A「UNJW-24A-R」
UNJW-24A-Rは、筐体前面にType-AメスのUSBコネクタ、筐体背面にType-AオスのUSBケーブルを備えたレセプタクルです。
制御盤や装置のパネル面にType-Aの接続口を設け、筐体内部のパソコンや制御機器へ接続したい用途に適しています。
主な仕様は次のとおりです。
- 対応規格:USB 2.0 Hi-Speed
- 最大転送速度:480Mbps
- 前面:Type-Aメス
- 背面:Type-Aオスケーブル
- USB 1.1・1.0規格の機器と互換性あり
- 防水キャップNJW-24-RCa装着時にIP-67相当
- 使用温度範囲:0℃~+50℃
- 亜鉛合金ダイカスト製シェル
UNJW-24A-RはUSB 2.0対応製品です。
USB 3.0や最大5Gbps通信への対応製品ではないため、必要な通信速度を確認して選定してください。
Type-B「UNJW-24B-R」
UNJW-24B-Rは、筐体前面にType-BメスのUSBコネクタ、筐体背面にType-AメスのUSBケーブルを備えたレセプタクルです。
計測機器、検査装置、プリンター系機器など、Type-Bポートを使用する機器との接続口を筐体外部に設けたい場合に検討できます。
主な仕様は次のとおりです。
- 対応規格:USB 2.0 Hi-Speed
- 最大転送速度:480Mbps
- 前面:Type-Bメス
- 背面:Type-Aメスケーブル
- USB 1.1・1.0規格の機器と互換性あり
- 防水キャップNJW-24-RCa装着時にIP-67相当
- 使用温度範囲:0℃~+50℃
- 亜鉛合金ダイカスト製シェル
USB 1.0・1.1機器と接続する場合も、実際に使用する機器、ケーブル、ソフトウェアを組み合わせた状態で動作を確認してください。
Type-C「UNJW-20C-R」
UNJW-20C-Rは、パネル取り付け形状のレセプタクル前面と背面に、Type-Cメスコネクタを組み込んだ製品です。
主な仕様は次のとおりです。
- 適合コネクタ:USB Type-C規格に従うコネクタ
- 前面:Type-Cメス
- 背面:Type-Cメス
- 防水キャップNJW-20-RCa装着時にIP-67相当
- 亜鉛合金ダイカスト製シェル
- 使用温度範囲:-20℃~+60℃
- RoHS指令対応
- USB PD非対応
- コネクタ接続時のリバーシブル動作は非対応
一般的なType-Cコネクタはリバーシブル形状ですが、UNJW-20C-Rでは、動作しない場合にケーブルの表裏を反転させる必要があります。
また、使用環境によっては動作しない場合があるため、採用前に実機で確認してください。
UNJW-20C-Rについては、Type-Cコネクタを採用した製品として仕様を確認し、特定のUSB 3.2通信速度やUSB PDへの対応を前提とせずに選定することが重要です。
UNJWシリーズの製品比較表
| 製品名 | 前面 | 背面 | USB通信に関する案内 | 防水条件 | 使用温度範囲 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| UNJW-24A-R | Type-Aメス | Type-Aオスケーブル | USB 2.0 Hi-Speed、480Mbps | NJW-24-RCa装着時にIP-67相当 | 0℃~+50℃ | USB 3.0対応品ではない |
| UNJW-24B-R | Type-Bメス | Type-Aメスケーブル | USB 2.0 Hi-Speed、480Mbps | NJW-24-RCa装着時にIP-67相当 | 0℃~+50℃ | USB 1.1・1.0機器は実機確認が必要 |
| UNJW-20C-R | Type-Cメス | Type-Cメス | Type-C規格に従うコネクタ | NJW-20-RCa装着時にIP-67相当 | -20℃~+60℃ | USB PD、接続時のリバーシブル動作は非対応 |
各製品の防水性能は、指定の防水キャップを正しく装着した状態で成立します。
USBケーブルを接続した状態での防水条件とは異なるため、設備の運用方法に合わせて確認してください。
USB規格と使用環境の両方を確認してコネクタを選定しよう
USBコネクタを選ぶときは、USB規格のバージョンとType-A・Type-B・Type-Cという形状を分けて考える必要があります。
Type-Cだから高速通信やUSB PDに対応しているとは限りません。
また、USB 3.2対応の機器を使用していても、接続経路にUSB 2.0対応のケーブルやコネクタが含まれていれば、通信速度は低い側の仕様に制限されます。
産業用途では、通信規格だけでなく、次の条件も確認することが重要です。
- 必要なデータ転送速度
- 接続する機器とケーブルの対応規格
- コネクタ形状
- 防水性能の成立条件
- 使用温度
- 振動やケーブルへの荷重
- パネル加工寸法
- 筐体内部の配線スペース
- 保守部品の入手性
- 実機での動作確認
仕様書には「USB対応」とだけ記載するのではなく、必要な転送速度、コネクタ形状、防水条件、使用温度などを具体的に記載しましょう。
設計、調達、品質保証、保全の各部門で条件を共有することで、製品選定の認識違いや導入後のトラブルを防ぎやすくなります。
産業用メタルコネクタの選定は七星科学研究所へご相談ください
七星科学研究所では、USB Type-A・Type-B・Type-Cを組み込んだUNJWシリーズをはじめ、さまざまな産業用メタルコネクタを取り扱っています。
USBコネクタの選定にあたっては、次の情報を整理して相談すると、使用条件に合った製品を検討しやすくなります。
- 接続するホスト機器と周辺機器
- 必要なUSB規格と通信速度
- 希望するコネクタ形状
- 設置場所と防水条件
- 使用温度
- 振動や衝撃の有無
- パネル取り付け条件
- 筐体内部の配線方法
- 必要数量
- 評価予定の機器とケーブル
既存設備への組み込みや、一般的なUSBポートでは水や粉じんへの対策が難しい場合は、UNJWシリーズをご検討ください。



